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Pick & Placeスキルの使用方法

このコースでは、Task BuilderのPick & Placeの使用方法を紹介します。
 

1. はじめに

Pick & Placeは、ロボットを使用する際によく使われる作業の1つです。パレットにワークを積載する工程、コンベアベルトで対象物が目標点に到達したときに移動させる作業、ギア組立、ホール探索などにも使用できます。

2. Pick & Placeスキルを見る

Pickスキルは、決められた位置に移動して対象物に接近、接触したとき、グリッパーを作動して対象物を把持するスキルです。Pickスキルの動作としては、位置制御のみを活用した動作、位置制御とコンプライアンス制御(順応制御)機能を活用した動作、位置制御とコンプライアンス制御(順応制御)機能および接触感知機能を活用した動作などの3つのパターンがあります。Placeスキルは、決められた位置に移動し、グリッパーを作動して対象物を置くスキルです。Pickスキルと同様に、3つのパターンの動作があります。

PickとPlaceは実際のツールが作動する作業点 (action pose) から垂直方向に進入点 (approach pose) を持つスキルです。その後、対象物をつかんで別の位置に行くための後退点 (Retract Pose) に移動します。通常、作業点基準ツール座標系 - Z方向(対象物から離れる方向)であり、入力された後退距離 (retract distance) で自動的に計算され、その位置に移動します

3. ワークセルアイテムの設定

3.1 エンドエフェクタの設定

Work Managerの最初の画面で、エンドエフェクタメニューからグリッパー(GripperDAで電気グリッパーを使用)を追加します。エンドエフェクタポートをロボットフランジまたはコントローラーボックスに接続し、出力信号からコントローラー、フランジのいずれかを選択します。入出力信号の種類をそれぞれ選択し、入出力ポート番号を選択します。

※入力信号の場合、信号が正常に入力されると緑色が点灯します

3.2 ツール中心位置の設定

ロボットは、作業を開始するためには、現在装着されているツールの重さとツール中心位置 (TCP) を設定をしなければなりません。
ポイント1~4ポーズ保存後、自動計算を押すと自動的にツール中心位置が設定されます。エンドエフェクタースキルコマンドを使用して、TCPオフセットを自動的に変更設定できます。

3.3 ツール重量の設定

Work Managerのホーム画面、ロボットメニューからグリッパーの重さと中心を設定できます。自動計算を使用して測定したり、直接入力することもできます。

4. Pick & Placeプログラミング

エンドエフェクタスキルからPickとPlaceスキルを選択してプログラミングを行います。

4.1 エンドエフェクタスキル設定

  1. Pick:入力された位置の対象物を把持するスキルです。
  2. Place:入力された位置に対象物を置くスキルです。
    ※対象物を把持する位置に移動する前に、グリッパーが閉じていることを確認してください。
  3. スキルプロパティでエンドエフェクタを選択し、設定ボタンで登録します。
  4. Reference Poseで各スキルの目標点を指定/保存します。
  5. Task Settingで反復条件を選択します。(ここではgLoopCountRev)

※PickとPlaceの各動作に対して詳細速度の指定および相対座標の設定が必要な場合は、Reference Poseの右側にある拡張ボタンを押してください。

4.2 高度なオプションの設定

上記の他にも高度なオプションを設定することができます。接近/後退設定、速度/加速度以外のコンプライアンス制御、接種検出設定を行うことができます。

  1. Approach Pose / Retract Pose Setting:安全に作業を行うために接近/後退距離と速度、加速度を設定します。また、動作位置に移動時または後退する際にかかる時間とブレンディング半径の設定も可能です。

  1. Compliance Control Setting:コンプライアンス制御機能をオンまたはオフにすることができ、剛度を入力できます。

  1. Contact Sensing Setting:接触感知を判断するためのマージン値を設定し、床あるいは物体との接触を防止するための後退距離を入力することができます。

  1. Gripper Setting:グリッパー動作中の待ち時間を設定することができます。ツール重量の場合は、事前に設定した値を選択できます。

【やってみよう】

  1. Work Managerでエンドエフェクタを設定します。電気/空圧/真空グリッパーをフランジに取り付け、出力信号ポートの割り当てとつかむ/はなす動作をテストします。フランジからグリッパーを外してTCP測定ツール(先が尖った精密な治具)を締結した後、4つの異なるポイント設定、ポーズ保存をして自動計算をしてください。フランジからツール端の距離値をグリッパーの長さと比較し、位置情報Z値を修正後、「OK」ボタンを押して該当のグリッパーをアクティブにしてください。
    ※グリッパーの設定方法は【How to】コンテンツの【グリッパーの接続方法】をご参照ください。
  2. Task Builderで新規のテンプレートを追加し、以下の様に進めてください。
  3. PickとPlaceプロパティでつかむ/はなす動作を行い、対象物を移動させてみてください。実際のPickが行われる位置にロボットを移動させた後、対象物を把持してその位置を保存します。そして、Placeが実行される位置に移動し、その場所にワークを置き、場所を保存します。

  1. 接近/後退距離、速度、加速度を設定してください。接近/後退距離は、Z軸に移動する距離です。
  2. プレイタブに行き、実際のモードを有効にしてからPick & Placeを実行してみてください。

5. まとめ

今回のコースでは、DoosanロボットのTask Buliderを利用して、Pick & Placeの使い方を学びました。ワークセルアイテムの設定やエンドエフェクタスキルの属性値、高度なオプションを理解すれば、様々なタスクを簡単にプログラミングできます。詳細については、リファレンスマニュアル/プログラミングマニュアルを参照してください。

6. 参考資料

※本資料に掲載されている全ての内容および全てのデザインは、Doosan Roboticsが著作権および知的財産権を有しています。従って、これらをDoosan Roboticsの書面による許可なく使用、複製、または配布することを禁じます。なお、Doosan Roboticsの特許権等を不正に使用、改変した場合、その責任はすべてお客様にあることをご了承ください。

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